地域で生まれた再エネ価値を地域へ還元。「Carbon EX」と進めるJ-クレジット創出
株式会社アズマ
代表取締役社長 中島 一嘉様
専務取締役 中島 勘太郎様
課題
- モニタリングや資料整理の実務負担により、創出推進に課題があった
- 顧客や地域事業者への制度説明や負担配慮に不安があった
- 再エネ価値を地域に分かりやすく伝える手段が不足していた
ソリューション
- 「Carbon EX」のJ-クレジット創出コンサルティングを導入
- モニタリング実施方法の整理、を中心としたクレジット創出に向けた伴走支援
- 「Carbon EX」のネットワークも活用した広報活動の強化
- 地域エネルギー循環を前提としたJ-クレジット活用方針の共同設計
インパクト
- J-クレジット創出に向けた実行体制と推進基盤を整備
- 顧客訪問機会の創出により関係性強化と信頼向上を促進
- 収益の地域還元を見据えた循環モデル構築の土台を形成
2,000件以上の屋根工事実績と太陽光の知見を生かし、八女の地域エネルギー循環を推進

株式会社アズマは、福岡県八女市を拠点に、屋根工事・建築板金事業と、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギー事業を展開しています。太陽光発電事業では、会社から1時間圏内を主な対応エリアとし、地域密着型の体制を重視しています。これまでに2,000件以上の工事実績があり、設備に不具合やトラブルが発生した際にも、迅速に対応できる体制を整えています。再生可能エネルギー設備は、設置後の保守や安全管理も重要であるため、近隣で継続的に対応できることは当社の強みです。
また、当社はもともと屋根工事を手掛けてきたため、太陽光パネルを屋根に設置する際にも、屋根の状態や雨漏りリスクを確認した上で提案できます。建物の状態を踏まえた施工により、長期的に安心して使える再エネ設備の導入を支えています。
当社がサステナビリティに取り組む背景には、太陽光発電事業による環境負荷低減に加え、「地域が持続可能な状態であること」を重視する考えがあります。当社は地域の工事会社として、地元の事業者や住民に支えられて事業を継続しています。そのため、地域経済が健全に循環し、住民が豊かに暮らせることは、当社の事業継続にとっても重要な前提です。
こうした考えのもと、当社は2016年から地域エネルギーに関する取り組みを開始し、2017年には地域新電力「やめエネルギー」を立ち上げました。地域で生まれた電気を地域で活用し、その価値を地域に還元する仕組みづくりを進める中で、J-クレジット創出は、地域エネルギーの価値を分かりやすく伝える手段になると考えました。
モニタリングや制度説明への不安を解消し、地域参加型の創出へ
当社は、地域エネルギー事業を進める中で、脱炭素の取り組みを経済価値として可視化できるJ-クレジット制度の重要性を認識していました。2022年には太陽光発電によるJ-クレジットのプロジェクト登録を完了しましたが、クレジット認証に向けたモニタリングの進め方や必要資料の整理、協力者への制度説明など、実務面の負担が課題となり、自社だけで進めるにはノウハウと人的リソースが不足していたため、クレジット創出に向けた取り組みを本格的に開始するに至ることができずにいました。
J-クレジットを創出するには、対象設備の利用状況や発電量などの確認が必要になります。個人顧客や地域事業者に協力を依頼する場面もあるため、制度の趣旨を正しく伝え、相手に不安や負担を与えずに進めることが重要でした。当社は地域密着で事業を行っているからこそ、顧客との信頼関係を損なわず、丁寧に制度説明を行う必要がありました。
そのような状況の中、「Carbon EX」からの提案を受け、改めてJ-クレジット創出に取り組むことを決めました。「Carbon EX」のコンサルティングサービスを選定した理由は、単にクレジットの創出や売却を目的とした内容ではなく、当社が実現したい地域エネルギー循環の考え方を踏まえた提案だったためです。当社の事業目的や地域への想いをヒアリングした上で、J-クレジットをどのように活用すれば地域への価値還元につながるかをともに整理できたことが、信頼につながりました。
また、「Carbon EX」およびアスエネグループは、カーボンクレジットだけでなく、CO2排出量の見える化や脱炭素経営に関する情報発信、ウェビナーなども継続的に行っています。当社にとって、制度対応だけでなく、今後の情報収集や地域への発信を含めて相談できるパートナーである点も、選定理由の一つとなりました。
J-クレジット創出で再エネ価値を可視化し、地域還元と若手人材育成を支える原資づくりへ

「Carbon EX」の支援により、当社はJ-クレジットのプロジェクト登録後に止まっていた取り組みを、創出に向けて再整理できました。現在は、モニタリングや顧客説明に関する不安を一つずつ確認しながら、地域の顧客に協力を依頼するための準備を進めています。
当社にとって、J-クレジット創出は単なる収益の獲得や自社のブランディングを目的とした取り組みではありません。地域で発電された再生可能エネルギーを地域で活用し、その結果として生まれる環境価値を可視化する取り組みによりJ-クレジットを創出、その売却益を、地域を良くする活動に活用・還元できれば、エネルギーの地産地消の仕組みを構築することができます。J-クレジットによる環境価値の定量化や、売却益の具体的な活用先を提示することは、地域の住民や事業者に分かりやすく伝えることができ、私たちが大好きな八女市の活性化に寄与できるのです。
また、モニタリングや設備確認のための訪問は、顧客との対話機会にもなります。当社が大切にしてきた地域密着の姿勢を改めて伝え、設備の状態や顧客の困りごとを把握することで、既存事業の信頼強化にもつながります。さらに、J-クレジット創出は若い社員の育成機会にもなり得ます。地域に根差した事業活動を学ぶ機会をつくりながら、若い世代が地域で働くことに前向きになれる環境づくりにもつなげたいと考えています。
今後は、J-クレジット創出によって得られる価値を、地域の挑戦を支える原資として活用していく考えです。例えば、子どもたちが安心して遊べる場づくりなど、地域の未来につながる活動への展開も視野に入れています。屋根工事と再エネ事業の知見を持つ当社だからこそ、雨天でも利用でき、再生可能エネルギーを活用した地域施設のような構想も描いています。
当社が目指すのは、次世代が人生の選択をする時に「八女が良い」と思える地域を残すことです。J-クレジット創出は、その実現に向けた一つの手段です。「Carbon EX」との取り組みを通じて、地域で生まれたエネルギー価値を可視化し、地域経済や人材育成、次世代の暮らしへ還元する循環をつくっていきます。

企業プロフィール

株式会社アズマ
業種:再エネ関連事業・建築業
社員数:30名
所在地:福岡県八女市
株式会社アズマは、福岡県八女市を拠点に、屋根工事・建築板金事業と太陽光発電を中心とした再生可能エネルギー事業を展開しています。会社から1時間圏内を主な対応エリアとし、地域密着型の施工・保守体制を構築。2,000件以上の工事実績を基盤に、屋根の状態を踏まえた太陽光設備の提案や、地域エネルギー循環の推進に取り組んでいます。
※掲載内容は取材当時のものです。