森林系クレジット購入で自然資本に貢献。「Carbon EX」を通じた持続可能な社会への取り組みへ
GMOペイメントゲートウェイ株式会社

GMOペイメントゲートウェイ株式会社 企業価値創造戦略統括本部 グローバル管理企画部 部長 兼 ESG推進担当:三浦様(左)
栃毛木材工業 代表取締役:関口様(右)
課題
- 単なるCO2排出量削減にとどまらず、自然資本に積極的に貢献する取り組みを目指していた
ソリューション
- J-クレジット(森林系)の購入支援
インパクト
- 森林系クレジット購入を通じ、自然資本および地域経済に貢献
18兆円超の決済処理金額で業界をリード

GMOペイメントゲートウェイは、オンライン決済、キャッシュレス化、DX推進の分野でリーディングカンパニーとしての地位を確立しています。年間決済処理金額は18兆円を超え、EC事業者やNHK、国税庁を含む15万店舗以上に総合オンライン決済サービスを提供しています(2024年9月末時点、連結ベース)。
当社は、2021年8月に取締役副社長の村松の下、ESGチームを立ち上げ、本格的な脱炭素への取り組みを開始しました。最初のステップとして、CDPの質問書への回答に取り組み、これをサポートするために「ASUENE」のCDP回答コンサルティングを導入しました。これにより、2023年度には「A-(リーダーシップレベル)」の評価を獲得し、さらに「MSCI ESG格付け」でも「A」評価を得るなど、企業としてESGを着実に推進しています。
しかし、これらの取り組みだけでは本質的な環境貢献には限界があると感じていました。特に、連結会社の決済端末(決済機器)の調達におけるCO2排出が避けられないことも課題として認識していました。そこで、2022年9月期には主要データセンターの電力を実質再生可能エネルギーに切り替え、2023年9月期には自社オペレーションにおけるGHG排出量(スコープ1、2)を実質ゼロ、つまりカーボンニュートラルを達成しました。2024年5月にはSBT認証も取得しています。加えて、スコープ3におけるGHG排出量削減にも積極的に取り組んでおり、2021年9月期比で決済端末の新規稼働台数1台あたりのスコープ3排出量を55%削減する目標を掲げています。この目標は、パリ協定に基づく科学的根拠に基づいて設定されており、決済端末メーカーやソフトウェア開発を行う取引先と連携して実現を目指しています。
これまでは非化石証書の購入でスコープ2を削減してきましたが、より自然資本への貢献を目的に取り組みたいと考え、アスエネグループ企業の「Carbon EX」に相談し、カーボンクレジットの購入を検討し始めました。
「Carbon EX」は、当社の目的に合わせて、日本・海外の森林系J-クレジットを提案してくれた
「Carbon EX」には、当社の目的に沿った自然由来、特に森林系のカーボンクレジットの購入に向けて、支援してもらいました。日本・海外の森林系クレジットを中心に提案を受けたなかで、当社が重要視したのは、実際に訪問可能な地域の森林から創出されたクレジットであることでした。クレジットがどのように創出されるのかを、自分たちの目で確認したかったからです。結果として、「Carbon EX」から紹介された、栃木県を中心に持続可能な森林管理を行う栃毛木材工業のJ-クレジット(森林系)の購入を決定、同社から購入する初めてのIT企業となりました。
栃毛木材工業は約2600haにおよぶ森林を保有し、地域社会に根差した森林管理を行っています。カーボンクレジットの収益を活用して、欧州の人工林の自然更新にも挑戦し、林業のコストや人材の課題に対処する先進的な取り組みをしています。当社は実際に、栃毛木材工業と管理されている森林を訪問し、この取り組みが自然環境および地域経済への貢献につながることを確信しました。

キャッシュレス決済の普及を通じて、脱炭素社会へ貢献

当社がJ-クレジットを購入する上で大事にしていた、単にGHG排出量を削減するためでなく、地域経済や環境保護への貢献という社会的責任も果たすものであることから、私たちのESG活動における重要な一歩となりました。栃毛木材工業からも「クレジットの購入だけでなく、森林保全の活動にも参加してほしい」というお声をいただいたことから、植樹や管理などの取り組みにも挑戦していきたいと考えています。
当社のようなキャッシュレス決済を含むフィンテックと脱炭素化には、実は深い相関関係があります。現金決済に伴う紙幣や硬貨の製造や輸送、ATMの利用には多くのCO2が排出されますが、キャッシュレス決済はこれらのプロセスを効率化し、環境への負担を大幅に軽減します。今後もキャッシュレス決済の普及を推進することで、より持続可能な社会の実現に貢献していきます。
さらに、当社は地域社会への貢献にも力を入れています。地方創生や森林保護活動を支援することにより、地域経済の活性化を促進し、環境負荷の低減にも寄与していきます。これらの取り組みは、単なる企業活動にとどまらず、社会全体の持続可能性を向上させるための重要な一歩です。
当社のESG活動は、利益の追求にとどまらず、社会全体の持続可能性に対する責任を果たすことを目的としています。カーボンニュートラルの達成を超えて、脱炭素化に向けたさらなる努力を続けるとともに、より多くの企業や消費者がESG活動に参加できるよう、リーダーシップを発揮してまいります。
企業プロフィール

GMOペイメントゲートウェイ株式会社
業種:金融業(決済関連サービス、金融関連サービス)
社員数:853名(2024年9月末現在)
所在地:東京都渋谷区
オンライン化・キャッシュレス化・DXなどを支援する決済を起点としたサービスを提供しています。年間決済処理金額は18兆円を超えており、オンライン総合決済サービスはEC事業者やNHK・国税庁等の公的機関など15万店舗以上の加盟店に導入されています(2024年9月末現在、連結数値)。
決済業界のリーディングカンパニーとして、オンライン総合決済サービス、対面領域での決済サービス、後払い・BNPL(Buy Now Pay Later)、金融機関・事業会社へのBaaS支援、海外の先端FinTech企業への戦略的投融資など、決済・金融技術で社会イノベーションを牽引し、持続可能な社会の実現と社会の進歩発展に貢献してまいります。
※掲載内容は取材当時のものです。
Carbon EX担当者のコメント
GMOペイメントゲートウェイ様のJ-クレジット(森林系)を活用した自然資本への貢献に、「Carbon EX」を通じてご協力できることを大変嬉しく思います。GMO様が掲げる「環境配慮と地域経済の発展の両立」は多くの企業が課題として認識している中、イニシアチブをとってアクションを実行される姿勢に深く共感しました。今後も、脱炭素化およびサステナビリティ推進に向けた具体的な取り組みを支援させていただきたく尽力してまいります。